つらつらっと

つらつら考えてみるに、よくわからないことばかり。

「好きな小説家は」ときかれハタと困り果てる

最近、職場を移ったばかり。人間関係で極力もめたくないので、挨拶はそつなくこなし、笑顔は忘れずに。それでも、破綻させてくる人も時折はいるけれど、常識人相手だとこれで大抵はうまくいくと思いたい。そして、何より信じたい。

 

その願いがかなって平穏無事な職場ライフ。馴れもすれば、少しずつ交友関係が出来てくるのも世の習い。同じ課で働く先輩は二回り年の離れた21歳の女性。

 

仮にこの女性をSさんとしておく。今のところ彼女と話すことが多いのだけれど、彼女の好きなものは、アイドルグループ嵐の二宮くん、江戸川乱歩だという。「二宮くんが大好きなんです」との話には若いな~と思ったけれど、それと同じぐらいの勢いで「江戸川乱歩が大好きなんです」ときたのでちょっとびっくり。なんでもご家族の影響で読むようになったとのことで納得。

 

先日もSさんは「陰獣(江戸川乱歩作)」を購入したとかでご満悦の様子。「読書家なんですね」と話しかけると、「いやいや~、でも読書は好きですよ」とのこと。「ところでモカさん(私のことです)はどの小説家がお好きなんですか?」と質問され、はたと困った。

 

たしかに本は好きだ。時間があれば何かしらの本を読んでいる。でも、恥ずかしくて何を読んでいるかは口外できない。かといって文豪の名前を挙げ「夏目漱石をば少々」なんて答えるのも違う気がする。というわけで「まあ、いろいろと読んでます、ハイ」なんてお茶を濁したわけだけれど。この場合、何と答えるのがよかったのだろう。

 

何を読んでいるかを正直に言うことは、自分の心の底の思いを吐露するのと同じだと感じてしまう私はおかしいのだろうか。ともあれ、コミュニケーションは大切。人に言っても恥ずかしくない作家の名前を考えることを今年の夏の課題とした。